急速に進むワクチン接種(その2)

 その1ではCovidワクチン接種の予約について述べたが、今回は実際に予約を取って接種に行ってきた際の様子、そして今後普及が見込まれるワクチンパスポートについて紹介する。

○予約が取れた!
 3月30日に接種対象が30歳以上の全ての者に拡大され、当日にさっそく予約を試みたが、当日はほとんど予約枠が出てこず、たまに表示されてもクリックして手続きを進めようとする間に他の誰かに取られていることの繰り返しであった。翌日昼、ニューヨーク市の接種予約空き情報サイトを見たら多数の掲載があったため、最も大規模で事務所からも近いジャヴィッツセンター(コンベンションセンター)の予約サイトを開いたところ、5月の予約枠が大量に表示されている!もう少し近い日程がいいんだけどな、と思いながら何度か更新していると、誰かがキャンセルしたのか4月の枠も時折表示され、4月19日の予約を取ることができた。
 翌朝、前回の記事でご紹介したTurboVaxのツイッターに「4月のジャヴィッツセンター予約枠が大量に出ている」という投稿があるのを見て改めて予約サイトを見に行ったところ、4月前半から中旬の予約枠が大量に出ていたので、19日をキャンセルし、5日の予約を取り直した。なぜ前日に5月の予約を大々的に取らせた後に直近の枠が大量放出されたのかはわからないが、ともかく無事に予約が取れた。ありがたい。

○接種へ
 接種に行く際に準備するのは、予約票、ニューヨーク州のVaccine Form(https://forms.ny.gov/s3/vaccine)、写真付きのID(パスポートや免許証など)、保険証である。Vaccine Formは事前にオンラインで提出し、提出した際の確認メールを持参する。予約票も含めて印刷の必要はなく、スマホの画面を見せればよい。
 今回接種を受けに行ったジャヴィッツセンターは、ニューヨーク州が運営する接種場であり、広いコンベンションセンターの利点を活かして、十分に距離をとった上でも数十の規模でブースが設置されている。1日に約1万人の接種を行っている。会場整理等には州兵(National Guard)が大規模に動員されていた。
 到着すると、簡単な受付の後、まず問診のブースに案内される。予約票とIDを提示し、いくつか質問を受ける。質問はCovidワクチン接種を受けたことがあるか(※1)、当日の体調、アレルギーやワクチンにより影響の起こり得る疾患の有無などで、最後にワクチンに係る留意事項のペーパーが渡される。問診のブースは担当者1名で対応しており、質問は定型であることから、医師や保健師ではなさそうであった。おそらく臨時職員だと思われる。
 続いて接種のブースに移る。接種担当と事務担当の2名体制で1ブースを回しており、事務担当者がIDを確認して入力等の作業を、そして接種担当者が簡単な問診をした上で接種する。ブースの真ん中に職員2名と物品置き場などがあり、両端に接種者用のイスが1つずつ配置されている。接種者2名の間は十分に距離が取られており、前の人の接種の間に次の人が身支度をして、効率的に接種を進められるようになっている(※2)。
 接種自体はあっけないほど一瞬で終わる。痛みもほとんどない。思わず接種担当の方に「全然痛くありませんね」と申し上げたところ「数時間後に痛みの出る場合がある。自分はそうだった。」「2回目に副反応の出る人が多い。」という説明があり、最後に接種記録の紙を渡された。
 接種が終わると、15分ほど経過観察として休みをとって終了である。筆者は朝一番(8:00)の予約であったため、待ち時間は全くなく、経過観察も含めて30分程度で終了したが、後で聞いたところ、時間帯によっては3時間近く待つこともあるようである。
 今回接種したのはファイザー社のワクチンであるが、2回目の接種の予約は、この接種場の場合自動的に3週間後に入る。2回目の予約の取扱いは接種場によって様々なようだ。

<州兵による受付>


<問診ブースの様子>


<接種記録>


 ※1 ファイザー社及びモデルナ社のワクチンは2回接種の必要がある。
 ※2 接種エリアは撮影禁止であったが、ブースの様子はニューヨーク州のワクチン情報サイト(https://covid19vaccine.health.ny.gov/)のタイトル背景画像がわかりやすい。



○ワクチンパスポート
 ニューヨーク州では、この数週間で、新型コロナウイルス関連の規制緩和、中でも多数の人が集まる場所の再開が進められている。4月1日より、客席1万以上の開放型のスタジアムを有するプロスポーツは、客席数の20%を上限とし、観客のワクチン接種完了又は直近のCovid検査陰性を確認することを条件に再開が認められた。また、3月15日より、結婚式等のパーティーは、150人・客席数の50%を上限とし、同様に参加者のワクチン接種完了又は直近のCovid検査陰性を確認すること等を条件に実施が認められた。いずれの場合もマスク着用やソーシャルディスタンシング等の遵守が引き続き求められる。
 このように、今後、ワクチン接種の完了又はCovid検査陰性の証明を求められる場面が度々生じることが想定される。そのためにニューヨーク州がIBMとのパートナーシップにより開発したのがExcelsior Pass(https://covid19vaccine.health.ny.gov/excelsior-pass)である。これは無料のスマホアプリで、州のサイトに氏名、生年月日、郵便番号を登録すると、ワクチン接種又は検査の記録があれば、証明用のQRコードが表示される仕組みである。紙に印刷して利用することも可能である。イメージとしては飛行機のボーディングパスに似ている。
 州によると、Excelsior Passの利用は任意であり、デジタル又は紙ベースの他の証明手段を用いても差し支えない旨記載されているが、今後、イベント等の事業者は読み取り機の設置等の対応が求められることになる(読み取りアプリは無料で提供される)。

<Excelsior Passのイメージ(NY州ウェブサイトより)>



急速に進むワクチン接種(その1):ワクチン接種の予約について。
急速に進むワクチン接種(その3):ワクチン接種の進め方の変化、ワクチンの余りが出た場合の対応について。