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ニューヨーク市の復旧・復興のために働くボランティアとニューヨーク市の連携

ハリケーンサンディが去った直後から、被害を受けた海岸部に住む人々とその家族や友人達は力を合わせて生存者を探したり、家を失った人を受け入れたり、水・食料を配ったり、散乱している個人の所有物を集めたりし始めた。まもなく、アキュパイ・サンディ(Occupy Sandy)などの市民団体も立ち上がり、救援物資を携えて支援活動を開始した。

地域によっては、ニューヨーク市政府の対応は遅かった、という批判もあるものの、一週目の終わりまでに、政府・非営利団体・市民グループは、人々を動員して救援物資の調達及び配布や、がれき処理、住民の安否確認などを開始した。

活動団体は多様であり、ニューヨークケアズ(New York Cares)という大きなボランティア団体から小さな宗教関係のグループまである。中には中止になったニューヨークマラソンに参加するはずであったランナーたちによるグループを組織された(現在は解散)。そのほかにも、全国の数多くの人がニューヨークまで来て、救援物資(自費購入の場合もある)の配布やその他の活動を行っている。

こうした様々なグループは、ニューヨーク市長室の調整の下、市の各部局やニューヨーク州軍(National Guard)、あるいは連邦政府のFEMAとともに活動している。被害区域を回ってみると、ボランティア団体とともに、ニューヨーク市警察によるパトロールや交通整備、州軍による救援物資の配達や住民の安否確認、FEMAによる損害評価、ニューヨーク市公営住宅公社による救援・復旧活動、市衛生局による瓦礫撤去作業、そして赤十字などあらゆる支援活動が行われている。この中で、ニューヨーク市長室とその関連機関であるNYCサービス(NYC Service)、コミュニティ・アフェアズ・ユニット(Community Affairs Unit・CAU)の職員は、各部局やボランティアグループの調整を行っている。

ニューヨーク市衛生局によるがれき撤去の様子

NYCサービスは2009年に、ボランティア活動に焦点を当て参加しやすくするためにブルームバーグ市長の発案で設立された。以前は、ニューヨークケアズという団体がボランティア活動の大黒柱で、防災緊急センターにも席があるほどの重役を果たしていたが、ブルームバーグ市長はこの分野への影響力を増すためにNYC サービスを設立したものと考えられる。NYCサービスのホームページはhttp://www.nycservice.org/#s からアクセスできる。

コミュニティ・アフェアズ・ユニットは1978年に設立され、ニューヨーク市内の様々なコミュニティと市長室とのパイプになり、市民のニーズとその対応策の作成に貢献する役割を果たしてきた。

ニューヨーク市政府は既存のボランティアや市民団体との連携を活かし、未曾有の被害を受けてから政府の限られた資材と能力を補うことができ、これにより市民の救助・支援をより早く、幅広く、より緻密に行うことができた。

11月、ブルームバーグ市長は四人の幹部職員を「コミュニティ・リカバリー・ディレクター」(Community Recovery Director)として任命した。主な責務は「差し迫っているニーズを把握し、コミュニティのリーダーと密接に連絡を取り合い、資材を必要のあるところに展開すること」である。四人中二人は前述のNYCサービスとコミュニティ・アフェアズ・ユニットの長である。残りの二人は市長室の政府間関係部(Mayor’s Office of Intergovernmental Affairs)の長と、環境保全局(Department of Environment Protection)のコミュニケーション及び政府間関係担当の副コミッショナーである。4名はそれぞれスタテン島、マンハッタン及びブロンクス、ブルックリン並びにクイーンズの四つの区域を担当し、指揮・監督というより、支援・調整の役割を果たそうとしているようである。

ボランティアはハリケーン直後から活動に乗り出し、そのおかげでニュ-ヨーク市政府は限られている職員や資材を効率的に利用して、救援・救助活動、情報収集、がれきの撤去等の急務に応じることができ、市民の支えになった。しかし、この協力は長年にわたる協力関係の産物であり、前もって育成しておかないと活用することはできない。

住宅の中の瓦礫を撤去するボランティア

2012年12月14日

Matthew Gillam, Senior Researcher