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ニューヨーク市の自転車シェアリング(その6) ~ハリケーン・サンディで運用開始が2013年5月に延期~

2013年12月7日

12月7日、ニューヨーク市交通局は、ハリケーン・サンディの被害により、来年3月に予定していた自転車シェアリングの開始時期を5月に延期することを発表した。ブルックリン海軍工廠(Brooklyn Navy Yard)に設置された自転車シェアリング施設がハリケーンの洪水で浸水し、電子部品等が被害を受けたことによるもの。

ニューヨーク・シティ・バイクシェア(NYCBS:自転車シェアリングの運営者)によれば、ハリケーン上陸の前日までに対策を行なっていたため、3分の2の部品・機器類は被害を免れたという。しかし浸水に晒された自転車フレームや電子部品については、個別の点検作業を行い、被害状況に応じて修理や交換を行う必要があることから、今回の運用開始延期となったものと見られる。NYCBSは被害の特定と部品の交換作業、追加部品の供給確保に引き続き全力を挙げるとしている。

市交通局とNYCBSによると、新たな運用開始時期は、自転車シェアリングに関わる全ての関係者の同意に基づくもので、Citiグループの4,100万ドルの資金提供や、市とNYCBの6年契約、利益の配分に関する取り決めに何ら影響を与えるものではないという。

Janette Sadik-Khan交通局長は、「交通局はハリケーンにより被害を受けた交通網の修復に24時間体勢で取り組んでいる。Citi Bike のスタートに向けた努力もその一環であり、我々は我が国最大の自転車シェアリングシステムを今春スタートさせる」と語った。

新たなスケジュールによれば、2013年5月にマンハッタン59丁目以南とマンハッタンに近接するブルックリンの一部において、自転車5,500台、貸出ステーション293箇所で運用を開始。その後2013年末までに残りのブルックリン地区、ロングアイラン・ドシティ、クイーンズに拡大し、7,000台体制とする。最終目標である10,000台の自転車シェアリングシステムの運用がいつになるかは、今後発表するという。

 

ニューヨーク事務所次長 園原 隆(東京都派遣)

 

参考