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ブルックリン植物園で、持続可能性と強靭性が新たな焦点に

9月15日、ブルックリン植物園内に新設される「シェルビー・ワイトとリオン・レビー・ウォーター・ガーデン(水の庭)」の開設式が行われました。水の庭は、気候変動により激化すると予測されている集中豪雨や更に必要性が増加している水の節約という課題に対して、強靭性と持続可能性を高めるプロジェクトの第一歩となるものです。

水の庭は面積0.6ヘクタールの湿地や川岸の環境で、「水資源保全プロジェクト」の中心となります。強靭性の面では、これまでブルックリン植物園では、総面積21ヘクタールの大半から流れ出す雨水は、そのまま下水道に流れ込み、その水量が多すぎる場合には、下水処理場を通らずに海に流れる仕組みとなっていました。これは様々な環境問題を引き起こすことから、本プロジェクトでは、こうした事態を防ぐために、コンピューターで分析される衛星からのデーターに基づいて水の庭の水量を調整し、大雨が予測される際にはあらかじめ水位を減らし、流れ込んでくる雨水をできる限り溜めておいて、時間をかけて下水道に流す仕組みを取り入れました。これにより課題が完全に解決されるというわけではありませんが、今まで流していた下水処理のできない年間の平均約3,030万リットル以上の雨水を年間約946万リットルまで減らす効果が期待されています。

持続可能性の面では、現在、ブルックリン植物園は、一年間で約8,000万リットルの水道や敷地内の井戸からとる真水を使っています。今後、日本庭園の池と繋がるように、水の庭を延長する工事を実施します。これにより、日本庭園の池の多少淀んでいる水を流し、濾過の機能を持つ水の庭を通すことによって浄化します。この水を再度、ポンプで汲み上げ、日本庭園の池の水として利用することにより、取り入れる水を年間約340.7万リットルまで減らすことができると予測されています。

水の庭を含めての「水資源保全プロジェクト」は約1,720万ドル(約17.2億円)の最終コストになると予測され、このうち700万ドルはシェルビー・ワイトとリオン・レビーの基金からの拠出金、残りがニュー・ヨーク市の市長室、市議会、環境保護局等からの補助金やブルックリン植物園の自己資金により賄われます。

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「堰」は流れの濾過機能の大切な要素で、その上部が飛び石です。

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「インフラ」と呼ばれてもおかしくないけれど、心に優しい場所です。

Matthew Gillam
2016年11月