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「Japanese Food & Restaurant Expo」ニューヨーク共同貿易社主催で日本食材などを売り込み

2016年9月24日、ニューヨーク市マンハッタン内にあるメトロポリタンパビリオンにおいて、ニューヨーク共同貿易社主催の「Japanese Food & Restaurant Expo」が開催された。このイベントは、レストランの経営者などの業界関係者に向けて年に一回行われている商談会で、今年で23回目の開催である。今年は109ものブース出展があり、日本の牛肉や魚介の加工品、調味料などの食材や、ビールや日本酒などのアルコール類、包丁や食器などのPR・販売が行われた。

兵庫県豊岡市は、但馬地域のブランド米「コウノトリ育むお米」の売り込みを行うため、中貝市長及び市農林水産課職員等が渡米し、ブース出展を行った。このお米は、化学肥料や農薬などに頼らず、自然の力を活用して作られている。お米の購買を通じて環境保全に間接的に貢献できるだけでなく、食しても体に優しいということから、日本人だけでなく、健康に気遣うアメリカの人たちにも魅力的な商品である。日本食普及親善大使でニューヨークを代表する有名シェフのデービッド・ブーレー氏のニューヨーク市内のレストランでも、試験的にこのお米が既に使われており、市長のPRにも熱が入った。

ブランド米をPRする中貝市長

※「コウノトリ育むお米」の取組についてはこちら
http://www.city.toyooka.lg.jp/hp/genre/agriculture/farming/rice.html 

豊岡市の隣には、宮崎牛をPRする宮崎県のブースがあった。宮崎牛については、ニューヨークでは、日本食レストランだけでなくアメリカンなど他ジャンルのレストラン、それから精肉店等でも高級食材として取り扱われるなど、既に一定の流通がある。ブースでは、焼かれた宮崎牛のステーキを試食として出しており、県畜産振興課職員やJA職員が、来場者に対して説明やPRを行った。

宮崎牛のPRを行う県職員とJA職員

※「宮崎牛」の取組についてはこちら 
 http://www.miyazakigyu.jp/

当職の地元で、日本における醤油発祥の地である和歌山県からは、「湯浅醤油」がブース出展を行った。醤油のほか、おかずとしても食べられる野菜がたっぷり入った金山寺味噌を売り込んだ。実際にきゅうりを添えて試食の提供を行ったところ、現地レストランを経営しているアメリカ人シェフが興味を持つなど、日本人以外の来場者も関心を示していた。

醤油の種類の違いを説明する新古社長

また、会場の一角には、マーケティングリサーチブースが設置されていた。このブースは、まだ現地での取引がない商品について市場の反応を調査するためのものである。品物の試食と商品説明のチラシのみを提供しており、共同貿易職員によって、来場者の感想の聞き取りが行われた。和歌山県からは伊藤農園のみかんジュース、角長の諸味ペーストが出品された。いずれも好評であったが、みかんジュースについては、試飲用の在庫が切れてしまう好調ぶりで、今後の取引が期待される。

マーケティングリサーチブースの様子

ニューヨーク共同貿易社職員によると、来場者の約6割強が、日本食レストラン関係者(フュージョン系、寿司バーを併設したアメリカンレストランなどを含む)であるとのことだ。一方で、麹の活用方法と利点、正しい熱燗の作り方、ハイボール及び焼酎で作るカクテルなどについてのデモンストレーションや講義には、料理学校の学生や現地メディアなども積極的に参加しており、日本食材への理解や活用方法への関心がより広がってきていると感じられた。

ステージでの講義の様子

 

(和歌山県派遣 丸野所長補佐)