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Japanese Food & Restaurant Expoに和歌山県が出展しました

2017年9月23日、ニューヨーク市マンハッタン内にあるメトロポリタンパビリオンにおいて、ニューヨーク共同貿易社主催の「Japanese Food & Restaurant Expo」が開催されました。このイベントは、レストランの経営者などの業界関係者に向けて年に一回行われている商談会です。第24回目となる今年は過去最大の111のブース出展があり、日本の牛肉や魚介の加工品、調味料などの食材や、ビールや日本酒などのアルコール類、包丁や食器などのPR・販売が行われました。

一般ブースでは、石川県が県内の企業数社の出展を支援したほか、昨年に引き続き、兵庫県豊岡市が但馬地域のブランド米「コウノトリ育むお米」などを出展していました。これらのブースでは、来場者とその場で商談が行われ、発注の取り付けまで行われます。

その他、会場の一角には、マーケティングブースが設置されました。このブースは、まだ現地での取引がない商品について市場の反応を調査するためのものです。品物の試食と商品説明のチラシのみを提供しており、共同貿易社職員によって、来場者の感想の聞き取りが行われました。味はもちろんのこと、品質、パッケージ、市場に出たら購入するか、商品の改善点に関する意見など細かく聞き取っていました。ここでの評価によって、今後の取引の行方が決まります。

今回当事務所は、和歌山県のマーケティングブースの運営支援を行いました。和歌山県からは県内の企業4社が本ブースに商品を出展しました。県の特産品でもある梅を用いた梅胡椒や梅干をはじめ、ゴマ豆腐を簡単に作るためのパウダーなどの他、地元和歌山の老舗酒蔵の九重雑賀は、社長自ら渡航し、自社の日本酒や梅酒、日本酒から作られた高品質のお酢などをPRしました。

海外ではなじみのない日本特有の食品が多い中、試食した来場者からは、意外な感想が得られたり、率直な意見、商品の料理への活用方法についてのアイディアなども聞くことができました。商社の見込みと市場の反応が異なる場合もあり、直接現地のレストラン関係者や一般の人々の反応や生の声を伺い知ることができる場として最適であると感じました。前述のとおり、通常であれば、マーケティングブースの商品は、そこでの調査結果を元に今後の取引を検討することになりますが、今回は、有名日本食レストランのシェフの目に留まったことにより、共同貿易社が商品の取り扱いを即決した例もありました。マーケティングブースといえども、具体的な成果がその場で得られる場合もあります。食品の海外販路開拓の第一歩として、このようなマーケティングブースへの出展は、非常に有意義だと思われます。

その他には、毎年好評の、麹の活用方法と利点、正しい熱燗の作り方、ハイボール及び焼酎で作るカクテルなどについてのデモンストレーションや講義には、料理学校の学生や現地メディアなどが参加し、日本食材への理解や活用方法についての知識を広げる機会ともなっています。

2016年度、日本の農林水産物の輸出は過去最大となり、北米は世界第2位の市場となっています。今回の展示会の盛況振りからも伺えるように、今後もますます日本食市場の拡大が見込まれます。

会場の様子
和歌山県の出展品
梅干、梅胡椒
マーケティングブースの様子
(伊藤所長補佐 滋賀県派遣)