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堺の刃物職人による米国での鍛冶実演 その1

鍛冶実演ツアー

2012年8月12日(日)から8月18日(土)の7日間、米国の4つの州において和包丁鍛冶の実演が行われ、総勢1,050名の集客がありました。日本の伝統的な刃物産地・堺から招聘された鍛冶師2名と銘入れ・研ぎの職人1名は包丁製造工程の中でも最も興味深い火入れの作業に加え、銘入れ、研ぎを熱演しました。

イベントを主催した、ジャパニーズ・カリナリー・アート・ネットワーク(Japanese Culinary Art Network :以下、J-CAN)は米系の有力キッチン・ストアーによるバイヤーズ・グループで、日本製品の高品質性、技術、職人気質、伝統、斬新さなどの特質を高く評価し、米国市場で日本製品の販売を広げています。

イベントは全米の都市に点在するJ-CAN会員の店舗や工場で実施され、カリフォルニア州においてはソノマバレー、ペタルマ、サンマテオ、サンフランシスコ、ミネソタ州ではミネアポリス、ジョージア州はデケーター、ニューヨーク州はマンハッタン、ラインベック、ブルックリンで実施されました。このうち8月17日に行われたマンハッタンでの実演と、翌日18日のブルックリンでの実演について報告します。

マンハッタン「ジェームズ・ビアード・ハウス」での鍛冶実演

マンハッタンではアメリカ料理界で最も権威ある団体と称される「ジェームズ・ビアード財団」の庭園を会場に、2回の実演が行われました。

観客が見守る中、鍛冶師が地金を炉に入れて熱し、それをハンマーで打ち付ける「火付け」の工程を実演すると、観客から感嘆の声が上がりました。そのあと体験したい人を募り名乗りをあげた数名が作業を体験すると「思ったよりもハンマーが重たい」、「地金の中心を打ち込むのが難しかった」などと感想を話していました。

次の工程では、地金の上に刃金を取り付ける「刃金付け」、さらに「泥塗り」、「焼き戻し」の工程を順々に披露したのち、研ぎ師にバトンタッチして包丁の柄を付ける「柄付け」を紹介して実演は終了しました。3名の職人に会場から大きな拍手が送られました。

その後、観客は会場2階に設けられたビデオ上映会場に移動し、堺の刃物職人による包丁の製造工程の映像を鑑賞しました。

ハンマー打ちの実演と来場者によるハンマー打ち体験の様子

包丁の柄付け

観客による泥塗りと焼きもどし作業の体験

大野所長補佐(堺市派遣)