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堺の刃物職人による米国での鍛冶実演 その2

ブルックリン スモーガスバーグでの鍛冶実演

堺の刃物職人による鍛冶実演イベントの会場となった、ブルックリンのウィリアムズバーグ・ウォーターフロントでは、5月から11月までの毎週土曜日に「スモーガスバーグ」が開催され、ホームメイドのスイーツやパン、ジャム、ピクルス、バーガー、ラーメン、BBQサンドウィッチなどの屋台が並び多くの人で賑わいます。

毎週土曜日にたくさんの人で賑わうブルックリンのスモーガスバーグ

その中で、刃物実演のスペースは会場のほぼ中央に設置され、その横に堺の和包丁を並べたテントが併設されました。鍛冶実演は、11時30分、12時15分、13時10分、13時45分、14時30分の計5回行われ、各回に20~30名が集まりました。その中には、鍛冶実演の見学を目的に来たのではない人も多く含まれており、今まで日本の包丁作りについて全く関心のなかった人にも日本の匠の技に興味をもってもらうよい機会となったようです。

銘入れのサービスがあり包丁を買い求める人でテントは賑わっていた

スモーガスバーグに来ていた多くの人が鍛冶実演を見学

日本の匠の技を守る職人

今回米国に実演に来られた職人たちは、普段は工房の中で独り黙々と作業をしています。今回初めて米国人の前で日本の匠の技術を披露する機会を得、米国の各地で、普段聞くことのない感嘆の声や米国人の大きなリアクションを目の当たりにしました。職人の一人は、「アメリカ人は日本人よりも反応がよく、我々の実演を非常に喜んでくれる。たくさんの人にサインを求められたり写真を撮られたりしてスターになった気分だ。来ることができて本当に良かった」と話していました。また別の職人は、「人前での実演は、職人のモチベーションアップにもよいので機会があれば他の若い職人にも経験させたい」と話し、今回のイベントが米国での和包丁の販売を広げるという効果だけでなく、日本のものづくりを支える職人の仕事への誇りや自信向上にも非常に効果的だということがわかりました。

 

日本の優れたものづくりの技術や伝統の発信を通じて日本文化の奥深さや素晴らしさを米国の多くの人に知ってもらうと共に、そのような日本文化を支える人々をエンパワメントする活動について今後も注目していきます。

大野所長補佐(堺市派遣)