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コンクリートの海に浮かぶ緑の小島:新しいまちづくりのコンセプト

写真:サンフランシスコ市Department of Public Worksホームページより

パークレット(Parklet)とは、市街地の中で公園のように使われるごく小さな土地のことである。2005年にリバー(Rebar)というサンフランシスコ市のデザイン会社のプロジェクトとして始まって以来、その考え方はシカゴやフィラデルフィアでも取り入れられてきた。パークレットは、道路脇にある駐車スペースを土、草、ベンチ、そして場合によっては樹木を備えた小さな緑の区画に変更する。サンフランシスコ市でもっとも野心的なパークレットはパウェル・ストリートにある。約10万人の歩行者が毎週末に通行するのであるが、地元紙がいうように、「他のことはともかく、広げられた歩道は他の街から来る大勢の人々を受け入れるのに役立つだろう」。加えて無料のWiFiスポットもある。

ニューヨーク市がブロードウェイ通りの一部を椅子とテーブルと植物を配置した歩行者専用スペースにしたことを出発点に、サンフランシスコ市はそのミニチュアバージョンであるパークレットを発展させた。サンフランシスコ市はこうしたパークレットを創出する公式な方針を有している。それにフィラデルフィア市が加わり、車2台分の駐車スペースで最初のパークレットをつくった。シカゴ市もまたこの新しいアイデアに興味を示し、民間事業者と協力して北部のアンダーソンビル地区にあるクラーク・ストリートの一部にパークレットを作ろうとしている。

財源は様々である。サンフランシスコ市では、一部は民間企業によって、一部は政府の補助金によって、一部は非営利団体や財団によって賄われている。フィラデルフィア市は非営利財団、シカゴ市では個人の寄附を受けた非営利団体が先導している。

2012年7月20日

Senior Researcher Seth B Benjamin

訳 上席調査役 川崎穂高