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米国の自転車シェアリング(その2)利用実態調査

2012年7月9日

「自転車シェアリングの利用者は、一人当たり平均で年間891ドルを節約、利用者合計で年間500万マイル(約805km)の自動車走行距離を削減」ー6月14日、ワシントンDCの自転車シェリング「Capital Bikeshare」が2011年の利用実態調査結果を発表した。※調査方法:メンバーシップ登録者のうち1800人に対してオンラインで実施。回答者数は5,464人(回答率31%)

主な調査結果

  • 自転車シェアリングにより、移動範囲が広がった(64%)
  • 仕事以外の目的での利用が半数以上(56%)
  • 以前より自転車を多く利用するようになった(80%)
  • 利用者合計(18,000人)で年間500万マイルの自動車走行距離を削減したと推計される(自家用車の利用が減少)
  • タクシー利用が56%、地下鉄利用が47%、バス利用が39%減少するなど、他の輸送モードから自転車シェアリングへのシフトが進んだ
  • 自転車シェアリング利用者は平均で1週間に15.75ドル、年間で891ドル交通費を削減した。18,000人の利用者全体では年間約1,500万ドルの節約となった。
  • ウエブサイト、ステーションの安全性、自転車のメインテナンスについては75%以上の利用者が満足(5段階評価の4又は5)、コールセンターは73%が満足と評価。一方で、ステーションの夜間照明については58%が満足と評価するにとどまった。

2008年からスタートしたワシントンDCの自転車シェアリングだが、市長室のRobert Pierno氏によれば、プログラムの実施にあたっては先行して自転車プログラムを導入していた姉妹都市・パリ市の事例を研究したという。姉妹都市提携が実質的なプログラムの推進に結びついた事例といえるだろう。米国の自転車シェリングの成功事例と評価されるワシントンDCのCapital Bikeshare には、世界中の都市が視察に訪れ、最近では中国からの視察が増えているという。

参考

ニューヨーク事務所次長 園原 隆(東京都派遣)