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ニューヨーク市の猛暑対策「クーリング・センター」

2012年6月22日

ニューヨーク市内で最高気温35℃以上を記録した6月20日と21日、市の危機管理室(Office of Emergency Management)は市内各地にクーリング・センター(Cooling Center)を開設した。クーリングセンターとは、市民を暑さから守るために、図書館など、エアコンにより温度管理がされた公共施設を一般に開放するものである。

クーリング・センターの場所は、311(市民サービス・苦情の専用電話)の他、HPに住所を入力してオンラインでも確認することができる。

住所を入力すると、近くのクーリング・センターが表示される

危機管理室のHPには、次のような「暑さのしのぎ方」も紹介されており、日本の大都市と同じように一人暮らしの高齢者対策が課題となっていることを伺わせる。

  • できれば日差しを避けること。日が当たる場所では日焼け止め(最低でもSPF15)と帽子で顔と頭を守ること。
  • エアコンがあれば使用すること。温度は華氏78度(25.5℃)以下に設定しないこと。
  • エアコンがない場合は、窓を開けるか送風機を使用し、室内の換気を行うこと。公営プール、冷房の効いた店、モール、映画館、またはクーリング・センターに行くことも検討すること。
  • 送風機は外気温が低い夜間が有効。
  • 猛暑時には近隣、特に高齢者、幼児、その他補助を必要とする人達に特別の注意を払うこと。年配のニューヨーク市民の多くは友人や家族と離れて一人で暮らしており、暑さにより困難に陥る可能性がある。
  • 高齢者または暑さに弱い人達は、猛暑時には1日に少なくとも2回は友人、隣人、親戚に連絡をとること。
  • 喉の渇きを感じなくても、水分、特に水を補給すること(心臓・腎臓・肝臓疾患等があるばあいは、水分の摂取前に医者に相談すること)。アルコール、カフェイン、多量の糖分を含む飲料を避けること。
  • 軽量で、明るい色の、ゆったりとした衣服を着用し、できるだけ肌の露出を避けること。
  • 夏の暑い期間は、子ども、ペット、要介護者を駐車車両に放置しないこと。
  • 特に、午前11時から午後4時までの暑さのピーク時間帯において激しい運動を避けること。激しい運動をする場合は、朝4時から7時までの涼しい時間帯に行うこと。
  • 冷たいシャワーと水浴びは効果的であるが、著しい温度変化は避けること。体温が上昇した状態で急にシャワーを浴びないこと。急激な温度変化により気分が悪くなったり、吐き気や目眩が生じる場合がある。
  • 高温注意報発令時には、市はクーリング・センターを設置する。クーリングセンターの場所は311またはオンラインでを確認できる。

昨年は記録的な猛暑だった北米東海岸だか、6月になり全米各地で記録的高温が報告されている。今年の夏もニューヨーク市民は暑さ対策に悩まされそうだ。

ニューヨーク事務所次長 園原 隆(東京都派遣)