28 11月 2011

ニューヨーク市長期計画 PlaNYC(日本語版)

より環境に優しく、より素晴らしいニューヨーク (A GREENER, GREATER NEW YORK)

2012年5月7日

2007年に策定されたニューヨーク市の長期計画PlaNYCは、2030年を目標年次とし、住宅、水道、交通、エネルギー、廃棄物、気候変動など、都市が抱える課題とその解決策の方向性を示したものである。進捗状況は1年に1度、レポートとして公表されているが、2011年4月に初の見直しが行われ、改訂計画であるPlaNYC(Update April 2011)が発表された。

ニューヨーク市は、PlaNYCに基づく施策により、2005年との比較で温室効果ガス排出量を13%削減するなど、大きな成果を収めてきたが、改訂計画では、増加する人口を受入れながら、社会基盤の充実と整備を図り、経済競争力を高めていくための10分野、132の戦略(INITIATIVE)を改めて示している。

各分野に共通したテーマは、ニューヨークの都市機能を向上させると同時に、市民の生活の質を高めることであり、序章には次のように記載されている。「生活の質を求めることは、もはや漠然とした優雅さを意味するものではない。企業のリーダーがどこに会社を移転させ、あるいは拡張するのかを決める際の具体的な要素だ。すなわち、あらゆるところに住む場所の選択肢がある時代において、才能ある労働者がどういったところを選ぶのか、ということである。素晴らしい公園やきれいな空気は、余計な飾りとは考えられていない」

グローバル化が進展する中、国際競争力とは何かという根本的な問いかけに対するひとつの明確な回答であり、都市の競争力を考える上で忘れてはならない視点であろう。

10分野の課題に対する戦略に加え、「横断的課題」の章では、それぞれの戦略が相互に関連性を持ち、都市の課題が複雑に絡み合っていることを具体的に説明している。また、多くの戦略を掲げる一方で、個人の選択や行動により市の温室効果ガス排出量を9%削減できる可能性にも触れ、住民参加の重要性を強調している。PlaNYC計画のどの単一の政策よりも、何百万人という個人の行動の積み重ねの方が温室効果ガス排出量の削減効果が高いのである。

当事務所のHPに日本語版を掲載した。日本の各自治体の課題と共通するものも多く、NY市との政策を比較することで、新たな視点を見出すための参考となれば幸いである。

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なお、翻訳作業に当たっては、下記の方々に多大な御協力を頂いた。この場をお借りして心からの感謝を申し上げたい。

東京都水道局中央支所給水課長 塩田勉 様

東京都環境局環境政策部環境政策課企画主査(課長補佐) 古澤康夫 様

東京都知事本局外務部外務課都市外交主査(政策部政策課政策主査兼務) 鈴木智也 様


ニューヨーク事務所次長 園原 隆(東京都派遣)