13 9月 2011

ネブラスカ州の公務員年金の新モデル

誰でも知っていることであるが、アメリカでは全国で、公務員年金とその他の退職給付が、州・地方政府の予算において大きな負担になっている。たいていは、資金不足であるか、それぞれの市民に約束されたサービスのためによりよく使われうる、より多くの予算を食いつぶすような大きな負債を抱えている。問題は、こうした状況について何をすべきかということだ。ネブラスカ州は、実際のところは2003年から、公共部門と民間部門との間でしばしば見られる差異をまたがる、ある戦略を考えだした。

一般的に、民間部門の雇用者は退職者のための「確定給付型」年金制度と呼ばれるものから手を引いている。この制度は、会社での勤続年数、被用者の最終給与及び年金公式に基づいて、制度における生活費手当に関する規定と相まって、退職者に月ベースで、退職後の固定された給付を約束する。代わりに、たいていの、とまではいかなくとも多くの民間企業が、「確定拠出型」年金制度と呼ばれるものを採用している。この制度は、被用者が自分で運用法を決められる年金を設立するものであり、内国歳入法(IRC)が1980年代初頭に退職者貯蓄の手段として認めた条項にちなんで401(K)として知られている。それらは、被用者が給料の一部を退職金口座に蓄えておくことで構成され、ときには、制度の中で合意されれば、雇用者からの追加拠出を伴う。今日、口座は、「貯蓄」を形成するために設計された、あらゆる種類の適切な長期性投資商品に投資可能である。その貯蓄は退職後に引き出され、被用者の退職後の生活に資金供給するために様々な方法で使われるのである。その資金供給は、被用者の好みによって、定額制の場合もあれば、変動制の場合もある。

ネブラスカ州は両方の年金制度の利点をひとつに組み合わせようとして、いわゆる「キャッシュバランス型」年金制度を考えだした。これは、次のように機能する。

一般論

キャッシュバランス型年金制度では、被用者と州の両方が、個人口座を通して年金に拠出する(上記で401(k)の例を示したようなものである)。被用者は退職したとき、年金として受け取るか、一括払いで受け取るか、(自分の退職貯蓄口座への)資金の移転をするか、あるいはこれらの組み合わせを選ぶという選択肢を持つ。州は口座を管理し、最低の年率リターンを保証する(いくぶん確定給付型年金制度と似たものである)。

具体論

ネブラスカ州は被用者が1ドル拠出するごとに1.56ドルを拠出する。州は、それぞれの口座が年率5%の利回りを得ることを約束する(保証する)。州は全ての個人口座を、州退職基金に投資する(それ自体は市場に投資されている)ことによって管理する。州は投資を管理する。投資の収益が5%を上回るようなよい年には、州は配当を決定し、それぞれの口座に分配することができる。どの年も、年間のトータルリターンは8%を超えることができない。

利点

この制度では、今日の若い被用者が生涯ひとつの会社や政府にとどまるつもりはないということを認識している。そのような被用者であれば、確定給付型年金制度のもとでは、年金に資金を「委ねる」ことはないだろう。キャッシュバランス型年金制度が意味することは、それぞれの被用者がそれぞれの口座を「保有」し、したがってどこで雇用されようとそれを持っていくことができる、ということである。だから、その被用者は、ひとつの雇用者に束縛されない。別の利点は、特定の利回りを保証することである。これが意味することは被用者は流動的な「市場」について心配する必要がない、ということである。「市場」の不確実性は被用者が同じ組織にとどまるかどうかやいつ退職すべきかということに影響する。おそらく、キャッシュバランス型年金制度の最も大きな利点は、納税者にとってのものである。この制度では、政府の退職給付の支払いに関する負債がより透明になる。納税者は、毎年州がどれだけの拠出をしなければならないかを正確に知ることになる。


2011年9月13日
執筆: Seth Benjamin, Senior Researcher
訳: 古川 剛史