01 8月 2011

モントリオール市サン・ローラン区における持続可能な駐車場開発条例

モントリオール市の中心部に近いサン・ローラン区(面積:43平方キロメートル)は2,500社ほどの企業等が立地し、総面積の半分以上を占めている地域である。この地域は、典型的な戦後の産業地帯として発達し、街並みは自動車を中心につくられ、道路や広い駐車場が多く整備されているところである。しかし、ヒート・アイランド現象などが重大な環境問題として持ち上がり、この駐車場の在り方を2008年から考え直そうという動きが起こった。この地域の駐車場は必要以上に広大であった事により、太陽熱を蓄積し過ぎたり、土壌が雨水を吸収することを妨げていた。

これらの諸問題に対し、サン・ローラン区では駐車場に関する新たな条例を制定し、企業の業種(活動)や鉄道の駅からの距離などによって、駐車スペース数を制限したり、雨水が浸透できる舗装素材の利用、または成熟した際に、駐車場総面積の40%に日影ができるよう、植栽することなどの義務付けを行った。

本条例により、できるだけ土地を駐車場として使用しないように規制していくことで、長期的には、都市景観上、駐車場スペースが縮小し、緑化されていくと共に、駐車場規制によって新たに生み出されるスペースを有効活用することにより、1億カナダドル(約85億円)相当の都市開発が可能となると見込まれている。そのほか、ヒートアイランド現象や温室効果ガス発生の軽減、駐車場メンテナンス等のコスト削減ができる他、電車等のトランジットの利用率向上にも良い効果が期待できるとされている。これらのことから、サン・ローラン区の新条例はヒート・アイランド現象の削減、雨水保持、トランジットの利用促進、経済開発機会の創出などの効果を生み出す政策として、最近Canadian Association of Municipal Administrators / CAMA の2011年度アワードを受賞することとなり、現在、成功事例の一つとして挙げられている。


2011年8月1日
執筆:Matthew Gillam, Senior Researcher