14 3月 2012

健康意識は雇用にも良い?

オクラホマ市長、ミック・コーネットは体重の問題を抱えていた。彼は体重減少に取り組むうちに、肥満問題は自分が想像していたよりも難しいことだと気づいた。人口約50万人のオクラホマ市が全米で最も肥満者の多い市としてリストアップされたこともあり、彼は市民とこの問題について対話をしようと決心した。しかし住民たちとの対話ははかどらなかった。彼らは肥満について議論などしたくはなく、むしろ肥満が自然に消えてなくなれば良いと思っていたからだ。もちろん、そんことは起こるはずもない。

元々、市長としての彼の主要課題は雇用と教育であった。しかし自分自身の肥満と戦うなかで、雇用を創出する人たち(Job-Creators)の最重要関心事のひとつは、労働者の健康であることが分かった。とりわけ、労働者の健康保険のコストが彼らにどれだけ負担になるかということが。そこで、市長は自分のプランを修正することにしたのである。

教育・啓発が最初のステップだと、彼は考えた。2007年12月31日、市長は記者会見の席で「市の体重を減少させる」と発表した。彼の挑戦は「オクラホマ市民の総体重の100万ポンド(約435,600キログラム)減少」だった。市は、市民が自分の体重減少を記録することのできるウエブサイトを開設した。目標達成に要した年数は4年であった。47,000人が体重減少を誓ってウエブサイトに登録をした。

市にどのような影響があり、何が起きたのか?市民はウエブサイトにEメールや書き込みでどんなことが体重減少の障害となるのか投稿した。ある女性は橋が修理されず放置されていると苦情を書き込んだ。仕事に行くために自転車で通っていた橋で、体重を減らすのに役立っていたという。ある12歳の少年は「自分は若すぎてウエブサイトに登録出来なかったが、サイトに勇気づけられて体重減少に取り組んだことで、今は中学校のフットボールチームでプレーしている」と市にEメールを送った。

さらに、市議会は「市を健康的なライフスタイルにとって魅力ある都市にする」という決議をした。2010年、市は4ヵ年1億4,000万ドルのプログラムをスタートさせた。ダウンタウンの都市中心部を、より歩行者が使いやすいようにするという計画である。資本投資額は合計で7億7,000万ドルに達し、市中心部での70エーカー(約28ヘクタール)の新規公園整備、50マイルの歩行者・自転車道路の追加整備、市内全域での歩道改良、そして高齢者用の健康アクアエクササイズセンターなどが計画されている。

オクラホマ川は今ではアメリカオリンピックチームの練習場にもなっているワールドクラスのボート競技場であり、夏の間は若者たちのボートキャンプとして提供されている。市内全ての小学校には新しい体育館が整備され、子供たちはいつでも運動をすることができる。

言うまでもなく、オクラホマ市には、同様のプログラムを検討している全米各地の地方政府からの問い合わせが殺到している。


2012年3月14日
次長  園原 隆
Senior Researcher Seth Benjamin