14 12月 2011

マサチューセッツ州内の北海道の姉妹交流都市を訪問

コンコード町

10月1日から2日にかけて、北海道七飯町との姉妹都市交流を支えているマサチューセッツ州関係者を訪問した。9月23日から30日まで七飯高校の生徒を中心とした72名の訪問団がコンコードを訪れ、コンコード・カーライル高校生徒との合同演奏会やホームステイなどの交流を行った直後の時期であった。

両地域は1997年に姉妹都市提携を結んでおり、提携時から両地域の交流を支えてきたキーパーソンがコンコード・七飯町ネットワーク代表のトム・カーティン氏である。同氏は「私たちは毎年ホームステイを続けてきた。これはとても意味のあることだ」と強調した。ホームステイ最後の日は必ず涙のお別れになり、見送る側は走ってバスを追いかけるのが慣例になっているそうだ。また、“バイなら”という“バイバイ”と“さよなら”を組み合わせたお別れのあいさつも伝統となっているという。「言葉の融合は文化の融合にも通じる」と同氏は教えてくれた。

また、コンコード・カーライル高校の吹奏楽部を訪問した際には、顧問や練習中の生徒が暖かく迎えてくれた。同校は国際交流に熱心で、長年にわたり七飯高校と合同演奏会を積み重ねてきたことから、2010年4月に両高校で姉妹校提携を結ぶまでとなっている。

続いて訪れたソロー小学校では、日本との交流の証として図書室に日本の図書コーナーが設けられていたことが印象的であった。日本の震災時には、コンコード・カーライル高校とソロー小学校が、14,857ドルの募金を集め、日本の被災地に寄付したという。

2日間の行程をお世話してくれた北海道・マサチューセッツ協会会員の方の存在も印象的であった。こうした交流はボランティアの力で支えられているという。来年2012年に姉妹都市提携15周年を迎えるにあたり、関係者では早くも打ち合わせをはじめているとのことであった。

スプリングフィールド市

10月19日から25日まで、北海道滝川市で実施した中学生・高校生7名をメンバーとする「ジュニア大使訪問団」の事業に一部同行した。

両地域の姉妹都市交流提携は1993年であるが、滝川市ではそれ以前より毎年、訪問団をスプリングフィードに派遣しており、今回が第21回となる。

ジュニア大使訪問団がホームステイや高校の授業参加などを通じて交流を行っている間、北海道マサチューセッツ協会のスー・ルート会長とともに、スプリングフィールドセントラルハイスクールにおける移民の生徒に対する英語授業の様子を見学した。また、スペイン語圏の若者への教育を支援しているNPOを訪問し、スプリングフィールドにおける多文化共生への取り組みについて話を伺った。マサチューセッツ州では、州法で移民の子どもの教育を支援することを規定しており、州と市、学校、NPOがしっかりと連携して支援を行っている。

その後、「ジュニア大使訪問団」に同行し、スプリングフィールド近郊にある、俳優のポール・ニューマン氏が行っている難病を持つ子どもたちのための施設「ホール・イン・ザ・ウォール・ギャング・キャンプ」を訪問した。滝川市ではこの施設をモデルとし、アジアで唯一となる、難病の子どもたちを受け入れる「そらぷちキッズキャンプ」を建設中である。来年のグランドオープンを目指し、日本国内を中心に難病を抱える子ども達の受け入れを始めるという。

なお、24日には当事務所で訪問団を受け入れ、所長、次長及びシニアリサーチャーが対応した。訪問団はグループに分かれて、ニューヨークでの生活や英語の勉強の仕方などについて質問し、英語と日本語を織り交ぜながら約1時間交流を行った。

以上紹介した姉妹都市交流は北海道とマサチューセッツ州が1990年に締結した姉妹州提携が契機となっている。マサチューセッツ州の出身で「少年よ、大志を抱け」という名言を残したクラーク博士の意思を継ぐように、いずれの姉妹交流も特に青年交流に力を入れている。こうした交流を経験した青年たちが、両地域の国際理解を深めるとともに、将来、グローバル時代における地域の担い手として活躍してくれることを願う。また、今回訪れたコンコードでは昨年まで七飯町でCIRをしていた青年にも出会った。彼は現在、ボランティアで日本人の子どもに英語を教えているという。国際交流で得た知識や経験を活かして地域における外国人支援に結びつけているもので、日本の各地域でも多文化共生施策を考えるうえで大いに参考となる事例である。

自分自身がクレアでの仕事や今回のアメリカ滞在中に学んだことを今後どのように活かしていくことができるのか、改めて考える契機となるマサチューセッツ州訪問であった。


金子主査 インターンシップ研修生