17 1月 2013

クレアレポートNo.376 「フロリダ州セント・ルシーカウンティ財政再建の軌跡」発行! 地方自治体の財政再建の秘訣、教えます

2013年1月17日

米国では、金融危機以降の全国的な景気悪化の影響により、税収が不足し、深刻な財政難に陥った地方自治体も少なくありません。多くの自治体が財政的な疲弊に苦しむ中、いち早く対策に取り組み、財政破綻を回避した、フロリダ州セント・ルシーカウンティの事例について調査を行いました。<.p>

全米カウンティ協議会年次総会での”County Leader of the Year”授賞式の様子

(右から)セント・ルシカウンティ市民予算委員会委員長、Outlaw氏、議会メンバー

2009年、カウンティは5,700万ドルの予算ギャップ、二桁の失業率、全国でも最高水準の住宅差し押さえ率に直面していました。しかし、わずか2年で、予算ギャップを2,600万ドルにまで減少させ、2010年には14.1%に達した失業率を1年で13.0%まで改善させ、財政的な課題を解決する上で大きな進歩を遂げました。成功の立役者はカウンティアドミニストレーターFaye Outlaw氏。同氏はその功績を認められ、フロリダ州・市カウンティ支配人協会から2011年のキャリア優秀賞を受賞、米国の雑誌“American City & County”では2011年の“County Leader of the Year”に選ばれるなど、全米でも高い評価を受けています。

財政再建のため、カウンティの部署数は18から9まで縮小され、スタッフの人数は34%削減されました。減給や降格も敢行され、行政サービスの多くもカットされました。一方で、ボランティアを活用し施設の運営を維持したり、大学のトレーニングプログラムと連携し中断していた事業を再開するなど、効果的なパートナーシップの構築により、サービスの維持やレベルアップを実現しています。さらに、地元経済界と協力してグリーン・カラー・タスクフォースと太陽光エネルギー融資ファンドを相次いで設立し、環境分野での雇用創出と、エネルギー効率の向上を提供しています。

成功の鍵はカウンティ議員Craft氏のコメントに集約されています。「我々は6年前から計画をスタートさせていた。多額の積立金を築き、それは様々な課題を解決することを容易にした。さらに、そこにリーダーシップを置くことで成功を収めることができた」。「先見の明」による周到な計画とそれを実行する圧倒的な「リーダーシップ」。その背景には、カウンティ議会とOutlaw氏、カウンティ政府と地域コミュニティとの厚い「信頼関係」がありました。

カウンティは未だ財政再建の途上にあり、Outlaw氏の挑戦は多くの困難と闘いながら続いています。レポートは、Outlaw氏自身と多くの関係者への取材を基に、カウンティの財政再建の軌跡を辿ったものです。カウンティがOutlaw氏と共に成し遂げた第一ラウンドでの成功を、多くの日本の地方自治体の方々と共有し、このレポートが課題解決をする上での良き相談相手、あるいは親しい友人として役立てば幸いです。

Clair Report No. 376
「フロリダ州セント・ルシーカウンティ財政再建の軌跡-セント・ルシーから学ぶこと-」


ニューヨーク事務所所長補佐 牧 直美(広島市派遣)